カテゴリー: 信頼

介護業界では、接遇が重要視されることが増えてきた。接遇とは、介護業界や各種の接客業などでよく用いられている言葉で、介護業界では利用者の方が快適に過ごせるようにコミュニケーションをとることを指す。丁寧に接するのと何が違うのかと感じられるかもしれないが、介護サービスを受けたくて受ける人などまずいないという点は押さえておいてほしい。

自らの力や家族の力で日常生活を送るのが理想だが、何らかの理由により日常生活を送るのが難しくなった場合、やむなく介護サービスの力を借りるわけだ。介護サービスを受けるのは本意ではない場合が多く、介護士を始めとする介護業界の人間に対して簡単に心を開いてくれない利用者も珍しくはない。

接遇は信頼を得るために役立つスキルで、利用者が何を好み何を嫌がるのかをしっかり把握することは欠かせない。一般的に高齢者の方は耳が遠く、大きめの声で接するのがよいとされているが、中には大声を苦手としている人もいる。このように、決めつけを避けて個人個人にあわせた対応を取ることが接遇につながってくるわけだ。

言葉遣いも接遇を実現する上で押さえておきたいポイントだが、利用者の誰もが介護職員の言葉遣いに細かく注文をつけるわけではない。しかし、間違った言葉遣いや分かりづらい言葉遣いを好む利用者はまずいないと考えてよいだろう。

しっかりとした言葉遣いで利用者の方と接することは、信頼を勝ち取る上での近道となる。馴れ馴れしい言葉遣いや利用者の方を子供扱いするような言葉遣い、高齢者の方に伝わりにくい若者言葉などは避けるようにするのが基本だ。